痛みが起きたときに読みたい!痛みの種類と痛みを楽にする3つの対応

からだに痛みが起きたとき、どんな対応をしていますか?
この記事では痛みの種類をお伝えし、対応策を3つ提案しています。
悩んだときは参考にしてみてくださいね!

目次

痛みの表現

カラダに痛みを感じたとき、それを言葉に表すことはできますか?
実は痛みにも種類があり、表現された痛みで見当がつく場合があります。

痛みはカラダやココロのSOSでもあります。
無視せず向き合い、ケアすることで悪化を防ぎましょう。

感覚を言葉にして痛みの種類に検討をつけ、まずは自分でケアできたらいいですよね。
ここでは痛みの種類を説明し、自分でできる痛みの対応をお伝えします。
良くならないときやかえって痛みが増したときなどは、無理せず病院に受診してくださいね。

今の痛みはどんな言葉にできる?

今の痛みはどんな痛みでしょうか。
下の表にある言葉で当てはまるものにチェックをしてみてください。

これは「痛みの評価尺度・日本語版SF-MPQ-2」を参考に記しています。
実際には項目ごとに「0〜10」で強さもチェックするようなものになっています。

  • ずきんずきんする痛み
  • ピーンと走る痛み
  • 刃物でつき刺されるような痛み
  • 鋭い痛み
  • ひきつるような痛み
  • かじられるような痛み
  • 焼けるような痛み
  • うずくような痛み
  • 重苦しい痛み
  • 触ると痛い
  • 割れるような痛み
  • 疲れて くたくたになるような
  • 気分が悪くなるような
  • 恐ろしい
  • 拷問のように苦しい
  • 電気が走るような痛み
  • 冷たく凍てつくような痛み
  • 貫くような
  • 軽く触れるだけで生じる痛み
  • むずがゆい
  • ちくちくする/ピンや針
  • 感覚の麻痺/しびれ

痛みの分類

SF-MPQ-2では、痛みの種類を大きく4つに分けています。

  • 持続的な痛み・・・1.5.6.8.9.10
  • 間欠的(痛んだり止まったりする)な痛み・・・2.3.4.11.16.18
  • 神経障害性の痛み・・・7.17.19.20.21.22
  • 感情的表現・・・12.13.14.15

専門用語的で理解しづらいですよね。

次は「痛み」をどう捉えるのか、痛みのことについて学んでみましょう。

そもそも痛みって何?

「転んで怪我をして血が出てきて痛い。」
誰もがそんな経験をしたことがあるでしょう。

この場合の痛みは至ってシンプルですね。
「皮膚が傷ついたり避けたりした」から痛いので、ケガの痛みです。

誰もが傷ついた皮膚を細菌が入らないようによく洗ったり消毒したりして手当をし、そのうちに良くなることを知っています。

また、「階段を上ると前ももが痛い、そういえば一昨日長い坂道を歩いたな。」という場合も、「筋肉をいつも以上に使った=筋肉痛だろう」と予測がつくかと思います。

困るのは身に覚えがなく、何の痛みだろうとわからないとき。
実は今、痛みは多面的(感覚・情動・認知)に捉える必要があるものとされています。

簡単にいうと感覚的なものというだけでなく、感情や捉え方などの脳機能も影響するとされているのです。
つまり、痛みの原因は「カラダのどこかを痛めているだけではない」ということですね。

痛みの3つ分類

痛みは大きく分けて3つに分類できます。

それは① ケガなどの痛み(侵害受容性の痛み)② 神経が傷んだ痛み(神経障害性の痛み)③ 脳が引き起こす痛み(痛覚変調性疼痛)です。

整形外科に受診すると処方されるお薬や治療はこの痛みの種類によって変わってきます。
それぞれの要素が重複していることもあります。
1つずつ説明しますね。

① ケガなどの痛み(侵害受容性の痛み)

痛みというと想像しやすいのがこの痛みではないかと思います。
すり傷・切り傷や骨折などで感じる痛みです。

この場合、皮膚や筋肉など実際に痛みが起きた情報が神経を通って脳に伝わり、傷ついた場所が痛いと感じます。

先ほどのチェックでは「持続的な痛み」や「間欠的な痛み」がこれに当てはまります。

② 神経が傷んだ痛み(神経障害性の痛み)

この痛みは神経自体が痛んだり、圧迫されたときに起こります。
神経と聞いて、どこにあってどんなことをしているか想像できるでしょうか。

神経は脳から背骨にある「脊柱管」のトンネルを通り、首の背骨からは手に、腰の背骨からは足に神経が分かれていっています。
皮膚や筋肉などで感じた感覚は、電気信号となって神経を伝わり、その情報が脳へ届きます。
逆に「

神経は背骨部分で圧迫されたり、手足のどこかで圧迫されたりすると痛みや感覚・運動障害が起こります。
また糖尿病や脳血管障害でも起こります。

先ほどのチェックでは「神経障害性の痛み」がそのままこれにあたりますね。

③ 脳が引き起こす痛み(痛覚変調性の痛み)

脳が引き起こす痛みとか痛覚変調性とか聞き慣れない言葉ですね。
以前は「心因性の痛み」と言われていたのですが、2021年に新しい概念となって言葉も変わりました。

皮膚や筋肉、神経(脳)に損傷がないにもかかわらず、「痛い」という状態を指します。
日本疼痛学会の説明によると、

痛みを引き起こす行動が繰り返されることで、より痛みを感じやすく敏感になっている状態
痛みを繰り返すことで、脳が痛みを学習し、痛みへのハードルが下がってしまうことで小さな痛みでもすぐに強い痛みと感じてしまう状態

とのことです。
痛みを繰り返す」ことで起こるので、痛みはじめからこの要因があることは稀です。
イメージできますか?

背骨の変形で神経を圧迫し痛みが出て長く歩けなくなる「腰部脊柱管狭窄症」の方の具体例が挙がっていました。
仕事などで歩くことを避けられず、痛みによる変な歩き方が繰り返されることで「腰部脊柱管狭窄症」自体の痛みに加えて、この痛覚変調性の痛みが上乗せされ、うまく表現できないけれどもほぼ毎日痛いという状況になるとのことです。

「痛みを繰り返してしまうとそれをカラダが覚えてしまい、その感覚が抜けなくなってしまう」と言い換えるとわかりやすいでしょうか。
この場合は「痛みの出る動きをしたけれど痛くなかった」という感覚で上書きしないと良くなりません。

最近ではこの痛覚変調性の痛みがよく取り上げられています。
特に職業病で有名な腰痛はこの痛覚変調性の痛みも上乗せされている状態と言われています。

先ほどのチェックでは「感情的表現」が強いとこれを疑うことが多いです。

痛みを楽にする3つ対応

痛みの原因を理解して、どう対策すれば良くなりそうだと思いましたか?

身体の組織を痛めているので、回復を促す必要がありますね。
さらに「痛覚変調性」の痛みが重なってしまう条件は「痛みを繰り返す」ことでした。

そのため、生活する上で大切なのは「痛みを起こさないこと」になります。
意外とできない方が多いので、次の3つを意識して生活してみてください。

  • 痛みが起こる動作はしない
  • 痛みが起こる動作をしなければならないときは、痛くない動き方へ変える
  • 楽しいこと、嬉しいこと、安心することを意識してやってみる

痛みが起こる動作はしない

痛いとき、痛みを出さないように生活しますよね?
痛いのは嫌だし、カラダも無意識に避けようとします。
それでいいのです。

ところが、むしろガシガシ動かしてしまう方もいらっしゃいます。
痛くて動かさなかったら「固まってしまうのでは?筋肉が落ちて動けなくなるのでは?」という不安や恐れがあるときです。

肩の痛み(一般的に五十肩と言われる肩関節周囲炎など)で肩が全然動かせなくなったときや膝の痛みで歩けなくなったときなどに無理してしまう方が多いように感じます。

例えば捻挫で腫れ上がった足首はテーピングなどで固定して、クーリング(冷やす)で炎症を落ち着かせるようにしますよね。
テープングを外し、痛みが出る方向へわざわざ捻ったとしたら痛みはどんどん悪化しそうだと思いませんか?

どこかを傷つけて起こる痛みというのは「炎症によるもの」なのですね。
炎症が起こると「安静時痛(何もしなくても痛みがある)、皮膚に赤みがある、腫れる、熱をもつ」といった反応が起こります。
炎症による痛みは安静とクーリングが回復の近道です。

ところが痛みを繰り返すと炎症はなかなか落ち着かず治らないので、不安からガシガシ動かしてしまったり、たくさん歩いてしまったりするとどんどん悪化してしまいます。

ただ、勘違いをしてほしくないのが「安静=寝ている」ではないこと。
痛くない部分や痛くない動作はいつも通り行い、体力や筋力の低下を防ぎましょう。

まとめると、痛めた組織が筋肉でも皮膚でも神経でも「炎症」が起こっている痛みは「起こさない」ことです。
痛覚変調性の痛みを上乗せしないためにも大切です。


痛みが起こる動作をしなければならないときは、痛くない動き方へ変える

痛みを起こさないことが大切なのは分かったけれど、生活していて痛みをゼロにはできないと感じませんか?
実際、難しいことが多いです。
身の回りのことや仕事、家事などやらないと生活できないからですね。

そこで次に考えたいのが「痛くない動きに変える」ことです。
ここが私の専門分野でもあります。

カラダを前屈して腰が痛むときは腰をそらすと痛みが出ない、もしくは軽くなることが多いです。
顔を洗うのは難しいですが(蒸しタオルなどを使用)、髪の毛を洗うときはそらして洗うことができます。

膝の内側が歩くと痛いとき、足を振り出す際に小指側から上げるように前に出すと軽減することが多いです。
なぜかというと、膝の内側が痛くなるときは体重が外側(小指側)に偏っていることが多いので、歩く際に小指から上げることで内側(親指側)に体重のかかるようになるからです。

肩が痛くて寝られないときは肩〜腕の下にタオルを敷いて高さを出すと楽になります。

こんなふうに体重のかけ方や関節の位置を意識して変えることで痛みを減らして動作することが可能です。
この考え方は動き方のクセで痛みが出ているときは特に大切になります。

もしご自分ではわからないときはお気軽にご相談ください。
オンライン相談は30分無料です。

楽しいこと、嬉しいこと、安心することを意識してやってみる

3つ目はなぜ?と疑問に思われたのではないですか?
これも「痛覚変調性」の痛みを上乗せしないために大切な考え方です。

「痛覚変調性」の痛みは、繰り返し痛みを感じることで脳がその痛みを覚えてしまうことから起こります。
つまり痛みに執着してしまうとその痛みはどんどん強化されてしまうわけです。

痛いのに痛みから気を逸らすのはとても大変なことだと思います。
しかしあえて「楽しむ」「ワクワクする」「安心する」「嬉しいと感じる」そんなことを選んで行動してみてください。

肩が痛ければ、歩いて楽しめるようなことを。
膝が痛ければ、座ってできるような作業を。
腰が痛ければ、腰が楽な姿勢でできるようなことを。

私はリハビリをする中で、患者さんが痛みに神経質になりすぎているかもしれないと感じたときは
「今まで何かやってとても楽しかったこと、好きなこととかありますか?ずっと続けていることでもいいです。」
と質問することがあります。

そういえば・・・と思い出して、その話をしているうちに表情がイキイキしてきます。
「こんな工夫をすれば今でもできるのでは?」
と提案して、早速やってみようかしら、なんて方も。

そんな姿を見ていると痛みは本当にカラダからのSOSで、本来のイキイキとした生活・生き方に視点を戻していくキッカケをくれているのでは?と感じることもあります。

カラダの声を素直に聞くことはとっても大切です。
痛くてつらいとき、痛みがなかなか良くならないとき、痛みを繰り返すときは思い出してみてくださいね!

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

シェア大歓迎です♫
  • URLをコピーしました!
目次